よく見る皮膚病

  接触皮膚炎 (かぶれ) 蕁麻疹
  血管性浮腫 にきび (痤瘡)
  癜風 (白なまず・黒なまず) 脂漏性皮膚炎
  尋常性白斑 円形脱毛症
  壮年性脱毛 (AGA) 多汗症
  ヘルペス 白癬 (水虫 たむし)
  尋常性疣贅(いぼ・うおのめ・たこ) 蜂巣炎・ひょうそ
  アテローム (粉瘤) 天疱瘡・類天疱瘡
  膠原病 アザ
  メラノーマ
ケロイド
  疥癬 褥瘡 (とこずれ)
       
   接触皮膚炎 (かぶれ)
 
いわゆる「かぶれ」です。ただし皮膚科的にはアレルギーによるもの(アレルギー性接触皮膚炎)とそうでないもの(一次刺激性接触皮膚炎)の2つに分けられます。アレルギーでない場合は原因となるものに接触すれば誰にでもおこります。例えばトイレ洗浄剤など強い酸やアルカリの製品などによる場合です。一方アレルギーの場合はその原因物質(抗原)に対して感作されたひと(物質に対して免疫上の記憶を持つリンパ球がつくられた場合)のみに生じます。よって抗原にはじめて接触した段階では、記憶リンパ球がありませんので生じません。原因物質の接触頻度が影響し、感作リンパ球が作られると、ある日突然かぶれが生じるようになるのです。言い換えると長年使っていた化粧品ではかぶれが起こらないのではなく、ある日突然使用中の化粧品でかぶれが生じるというわけです。アレルギー性接触皮膚炎はパッチテストで原因を調べます。治療は原因となるものを触れないようにし、ステロイド外用剤を使えば速やかに治ります。止痒には抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を併用します。

  接触皮膚炎診療ガイドライン
     
  皮膚科学会 皮膚科Q&A かぶれ

   蕁麻疹
 
蕁麻疹とは一言で言うと、皮膚に生じる一時的な水溜り(浮腫)です。
単なる水溜りですから、どんなに長くても1日以内、普通は30分から2時間で消えてしまい決して跡を残しません。跡を残す場合は特殊な蕁麻疹(蕁麻疹様血管炎)か別疾患です。もちろんひとつの水溜りが消えても、隣に新しい水溜りができ全体を見るとずっと続いているように見えることはありますが、ひとつの水溜りは1日で消えます。この特徴から電話で診断できる唯一の皮膚病と言われます。
皮膚の水溜りはマスト細胞への刺激によって放出されたヒスタミンが皮膚の浅い血管に働き、血管の隙間からもれ出た血漿が皮下に溜まって生じたものです。
原因は、マスト細胞の刺激の仕方によってアレルギー性とそうでないもの(非アレルギー性)に分けられます。アレルギー性というのは原因物質(抗原・アレルゲン)ごとに決まったlgE抗体がマスト細胞表面に結合し、この抗体に原因成分がくっつくとマスト細胞からヒスタミンが出る機構を言います。非アレルギー性とはlgE抗体を介さずにヒスタミンが放出される機構です。
蕁麻疹は持続する期間によって1ヶ月以内で治ってしまう急性蕁麻疹と1ヶ月以上続く慢性蕁麻疹に分けられます。
慢性蕁麻疹でアレルギーが関与するものは原則ありません。
そのほとんどは自己免疫性といい、体の中で肥満細胞を刺激する物質を自ら作ることで生じます。よって難治で原因を調べる血液検査をしても無駄です。
一方急性蕁麻疹ではアレルギー性とそうでないものがあります。例えば食餌で生じる場合、特定の食物を食べると必ず生じる場合はアレルギー性による可能性が高く、原因を検査で調べることができます(特定の食物に対するlgE抗体を持っているかどうかを調べます)。しかしある食物を食べて起こったり起こらなかったりする場合は、アレルギーによるものではなく体調・ストレスや吸収が関与することが多いのです。またはヒスタミン様物質を含む食物(青魚、イチゴ、タケノコなど)を食べると発症する場合があります。この場合は検査をしても分かりません。その他温熱や圧迫なども機械的な刺激で生じる蕁麻疹もあります。
アスピリン(アスピリン不耐症)や血圧の薬(Ca拮抗薬)で生じるものも注意が必要です。
全身に派手に生じるため、内臓に問題があるのではと考える方も多いですが、特殊な場合以外無関係です。治療は原因が特定できればこれを避けることが第一です。治療は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服です。外用薬はあまり効果がありませんので一般的には使いません。

    蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン
     
    皮膚科学会 皮膚科Q&A 蕁麻疹

   血管性浮腫
 
蕁麻疹の特殊型です。例えば眼の周囲や唇が突然ドナルドダックのくちばしのように脹れると言ったらよいでしょうか。蕁麻疹が皮膚の極浅い血管が反応するのに対して、血管性浮腫では深い血管が反応するため、蕁麻疹のように紅斑やかゆみもなく、消えるまで2、3日かかる場合があります。原因は蕁麻疹と同じ場合とC1インヒビターと言う酵素の作用が弱いために生じる場合があります。C1インヒビター障害の場合は遺伝性とそうでない場合があります。治療は蕁麻疹と同じで抗ヒスタミン剤や効アレルギー剤を飲みます。腫れが強い場合はステロイドを短期内服します。
  蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン
     

   にきび (痤瘡)
 
にきびと毛嚢炎は同じ毛穴に生じる似た病気ですが、でき方と治療が異なります。
毛嚢炎はひっかくなどした結果、毛包に細菌が感染して生じる感染症です。
一方にきびは毛・皮脂の出口(毛孔)が、お化粧などの汚れや紫外線による角化で塞がれ溜まった皮脂に、にきび桿菌が繁殖して生じる皮膚の炎症(皮膚炎)です。
毛嚢には脂腺が付属し、脂腺でつくられた皮脂は毛穴の出口(毛孔)から外へ排出されます。ところが毛孔が塞がれると、脂腺で作られた脂は毛孔から外へ排出できず、溜まってしまい大きな脂のタンクができてしまいます。これが面疱(コメド)と言われるもので、小さな肌色のぶつぶつが見られます。この状態に常在菌であるアクネ桿菌が増殖すると細菌性リパーゼと言う酵素が作られ、毛包の炎症が生じるのです。
こうした成り立ちから、その治療には、アクネ桿菌を殺す(抗生剤の外用薬を塗ったり、内服したりする)毛包の炎症を抑える(非ステロイドやステロイド外用薬を塗る、炎症を抑える作用のある抗生剤や漢方薬をのむ)毛孔の角化を取り除く(レチノイド外用薬を塗ったりケミカルピーリングを行う)という方法が使われます。
原因が毛孔の閉鎖ですから毛孔の角化を取り除く治療が理にかなっていますが、個別の症状により漢方薬を含めいろいろ組み合わせる必要があります。またかゆみが強い毛包虫性痤瘡ではイオウカンフルローションが第一選択です。
日常生活ではお化粧はしても結構ですが、薄めにしてクレンジングであまりこすらずすむように。スクラブ洗顔は禁止。大切なのは触れないこととあまり甘味をとらないことです。
当院ではレチノイド治療はもちろんケミカルピーリングも行っています。


    尋常性ざ瘡治療ガイドライン
     
    皮膚科学会 皮膚科Q&A にきび

   癜風 (「でんぷう」白なまず・黒なまず)
 
癜風菌で生じます。よく汗をかく方、スポーツをされる方の背中などに、淡い鱗屑を伴う脱色素斑もしくは色素斑として見られます。
ケトコナゾールという水虫の治療薬を塗れば治りますが、早期に治療しないと色がとれなくなります。

   脂漏性皮膚炎
 
一般にフケが多い、鼻の周りが赤い、耳や耳の後ろに湿疹がでる、胸や背中の中央、お臍のまわりが赤く湿疹がでるなどの症状で自覚されます。
ヒトの体には脂腺がたくさんある場所があり脂漏部位と呼ばれます。脂漏部位は頭、前額、眉間、鼻翼、鼻唇溝、おとがい、胸骨部、肩甲間部、臍囲、外陰部などです。こうした場所に加えて腋や耳介などこすれる場所で一定の湿疹病変が生じた場合、これを脂漏性皮膚炎といいます。
原因は完全に判っているわけではありませんが、癜風菌によるアレルギー反応と考えられています。癜風菌とはほぼ全てのヒトが通常持っているカビ(常在菌の一種)です。
こうした成り立ちから、治療は癜風菌を殺す(ケトコナゾールの外用剤を塗る)癜風菌が起こした湿疹反応を抑える(ステロイドや軽い場合は非ステロイド外用剤を塗る)痒いのでかゆみ止めを飲むと言うことになります。但し癜風菌は雑草のようなもので、退治しても退治しても出てきますので、再発を繰り返すことが大変多いです。再発すればその度根気よく治療を続ける必要があります。類似疾患として特に頭皮に生じた場合、尋常性乾癬との区別が必要となります。
過度の飲酒はアルコールを肝臓で代謝する際に、皮膚のビタミンと言われるVitB2,6が補酵素として使われるため減少します。これらの減少が皮膚症状を悪化させます。
同じ癜風菌で生じる病気に癜風(「でんぷう」白なまず・黒なまず)があります。

   尋常性白斑
 
尋常性白斑は、後天的に全身の様々な場所に色々な大きさで皮膚の色が白く抜ける(白斑)病気です。メラノサイト(色素細胞)が変性・消失するために生じます。
原因は自己免疫(抗メラニン・メラノサイト抗体)、メラノサイト自己崩壊、末梢神経の色素細胞に対する作用(末梢神経因説)などが考えられています。

臨床的には

1. 体の一部のみに見られ汎発型へ移行する「局在型」
2. 左右対称性に生じ尋常性白斑の2/3 - 3/4を占め最も多い「汎発型」
3. 神経の通り道に沿って片側性に生じ難治な「神経分節型」に分けられます。

またこの疾患は甲状腺疾患、アジソン病、悪性貧血、糖尿病などを合併することが知られており、この検索をする必要がある場合もあります。
治療には特効薬はありませんが、ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3軟膏を基本に使い、光線療法や光化学療法を組み合わせます。当院には大学病院以外あまり設置されていないPUVA、全身型narrow-band UVB照射装置、エキシマレーザー(VTRAC・Vトラック)を使用します。特に広範囲の汎発型では全身型narrow-band UVB、限局型ではVトラックが強力で有力な治療手段です。

  日本皮膚科学会 Q&A 白斑

   円形脱毛症
 
自覚症状や前駆症状を欠き、頭部だけではなく色々な場所に脱毛斑がみられる疾患です。
通常型円形脱毛症(単発型、多発型)、全頭脱毛症、汎発性脱毛症(全身型)、蛇行状脱毛症(生え際に生じる場合)に分けられます。
原因は自己免疫説が有力で、疲労・感染症、肉体的・精神的ストレスが引き金になると想定されていますが、詳しくは判っていません。
またアトピー性皮膚炎、甲状腺疾患(8%)、尋常性白斑(4%)、SLE,関節リウマチや重症筋無力症などの自己免疫疾患に合併することが知られています。
治療法は年齢と病型によって若干異なります。当院で行っているDPCP(diphenyl cyclopropenone)やSADBEによる免疫療法は治療法として強く推奨されています。ステロイドの外用は全例に、局所注射は病型によっては有効です。PUVA療法は成人で時間が経過した患者さんに用いられます。急速に進行した発症時期の浅い重症の患者さんには3日間入院(大阪大学もしくは関西医科大学)してのステロイド・パルス療法をお勧めしています。また当院に導入した308nmの波長を照射するVTRACの高い有効性も最近報告されるようになりましたので試みてよい治療法です。

  National Alopetia Areata Foundation
    http://www.naaf.org/site/PageServer
    ※英語が苦手な方はlive Searchで翻訳してください。翻訳したい部分をドラッグして→右クリック→「live Search」にカーソルを置くだけで訳文が出ます。
     
  皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症
     
  日本皮膚科学会円形脱毛症ガイドライン
     

   壮年性脱毛
 
  皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症
     
  男性型脱毛症診療ガイドライン(2010)
     
  プロペシア(フィナステリド)について 企業サイトMSD
     
  リアップ・ロゲイン(ミノキシジル)について 企業サイト 大正製薬
     

   多汗症
 
エクリン汗腺の機能亢進で生じる病態で、原発性と基礎疾患を持つ続発性のものがあります。

原発性のものは、

1. 25歳以下で発症
2. 家族歴をもっている
3. 日常生活に支障がある
4. 左右対称性に生じる
5. 睡眠中は生じない
6. 1回/週以上の発症

という5つの特徴のうち2つの症状を認める場合を言います。
手掌、足底、腋窩に生じます。

治療は20%アルミニウム水溶液(自費薬ですが廉価です)の塗布、イオントフォレーシス(保険適応)や抗コリン性鎮痙剤や自律神経調整剤の内服を行います。ボトックス局所注射は有効で推奨されますが、保険適応がなく治療コストが極めて高額となりますので、当院では現在のところ行っておりません。胸部交感神経遮断術(Endoscopic throracic sympathectomy ETS)についてはご説明致しますが、代償性発汗が問題でご本人の充分な理解が必要です

  日本皮膚科学会多汗症診療ガイドライン
     

   蜂巣炎・ひょうそ
 

皮膚の深い部位で起こる細菌の感染症です。原因となる細菌の多くは黄色ブドウ球菌やA群連鎖球菌です。四肢多くは下腿にみられ、紅く腫れた面を触れると熱感と痛みを感じます。急速に広がり発熱、体のだるさ、吐き気などの全身症状を伴うことも多々あります。足の水虫の患部から2次的に細菌感染し生じる例はよく遭遇し、糖尿病など基礎疾患があると重症化しやすいので注意が必要です。丹毒や壊死性筋膜炎との見分けが必要ですが、重症の場合は鑑別が難しい例が多いです。壊死性筋膜炎は極めて急速に拡がる重篤な病気で、外科的に患部を切開開放し、壊死を生じた部位を切除する必要があります。「ひょうそ」は指に生じた蜂巣炎と考えられます。
蜂巣炎・「ひょうそ」の治療は抗生剤を内服・必要なら点滴をし、患部には冷たい湿布を施し、膿があれば切開し膿を出します。安静にする必要があります。



   膠原病 
 
膠原病には下記のような疾患があります。
詳細は皮膚科Q&A膠原病をクリックして下さい。
 
  全身性紅斑性狼瘡(SLE)
全身性強皮症(PSS)
   皮膚筋炎
  シェグレン症候群
  結節性多発動脈炎 
ベーチェット病


  皮膚科学会 皮膚科Q&A 膠原病

   アザ 
 
アザには下記のような疾患があります。
詳細は皮膚科Q&Aアザをクリックして下さい。
 
 青アザ: 蒙古斑 伊藤母斑 青色母斑 太田母斑
 茶アザ: カフェオレ斑 扁平母斑 ベッカー母斑
 黒アザ:  色素性母斑
 赤アザ: 単純血管腫 苺血管腫 海綿状血管腫 カサバッハメリット症候群 血管拡張性肉芽腫 グロムス腫瘍 老人性血管腫 くも状血管腫

  皮膚科学会 皮膚科Q&A アザ


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